大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)158 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人の上告理由について

原判決は、上告人は被上告会社代表者D等から天候や船の構造等の関係上当日曳

航するのは危険であるから翌朝にされたいとの注意を受けたにかかわらず、これを

無視して訴外E商船株式会社をして本件船を現場に曳航せしめたところ、果せるか

な激浪のため右船が沈没滅失した事実を認定した上、このような事情の存する限り

船の滅失による返還不能は上告人の債務不履行というべき旨を判示したものである。

そして右判示の趣旨とするところは当日曳航すれば沈没滅失の危険があつたもので

あつて、そのためD等が上告人に注意を与えたのにかかわらず、上告人はあえて当

日曳航せしめたのであるから、上告人は少くとも不注意により前記の危険を認識し

なかつた過失があつたものというべく、債務不履行の責任を免れないというにある

ことは、判文上十分うかがいうるところである。それゆえ原判決には、上告人の帰

責事由についての判示につき理由不備等の違法があるものとはいえず、所論後段は

理由がない。また所論前段は、上告人自身に過失があつたものと認めた原判旨を正

解しない議論であつて、これまた採用することはできない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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